Scrum Ventures、DEEPCORE等から1.5億円調達

製造業の研究開発・生産技術領域でAI・機械学習等を活用するリーディングカンパニーを目指す

株式会社SUPWAT(本社:東京都渋谷区、代表取締役CEO 横山卓矢、読み:スプワット)は、2022年2月24日、Scrum Ventures、DEEPCOREなどを引受先とする第三者割当増資および融資により、シードラウンドで総額約1.5億円の資金調達いたしました。同時に、元・株式会社ABEJA CTOの緒方貴紀氏が当社の技術顧問に就任したことをお知らせします。

製造業の研究開発・生産技術現場において知見や経験に頼っていた業務は、SUPWATの機械学習やAIなどを用いることにより、飛躍的な時間短縮が可能になります。代表をはじめ、顧問にもアカデミックな研究や開発現場でのバックグラウンドを持つ人材が各分野から集まっていることから、ものづくり産業全般およびデータサイエンス領域への深い理解を活かし、研究開発の高度化、効率化などのソリューションを提供しています。

今回調達した資金により、既存のエンジニアリングチェーンマネジメントの概念を変え、弊社が掲げるビジョン「知的製造業の時代を創る」べく、エンジニアを中心とした採用を強化してまいります。

第三者割当増資の引受先について
・Scrum Ventures LLC
・株式会社ディープコア
 

  • SUPWATの直近の事業状況

SUPWATでは、製造業への深い知見を活用しながら、製造領域に対して機械学習等の技術を適用する「メカニカル・インフォマティクス技術」で研究開発現場の課題解決に向けた事業を展開してきました。SaaS型の自社プロダクト「WALL」を提供するほか、今年度からは国家プロジェクトであるNEDO事業にも参画し、製造業における事業化を見据えた研究開発も推進しています。

自社プロダクト:AIや機械学習を活用したSaaS型プラットフォーム「WALL」
製造業の研究開発領域において、誰でも簡単に定量的な判断ができるようになるサービスです。材料選定・影響度分析・パラメータ最適化など、属人化していた開発の技術継承が実現できます。(サービスサイト https://www.supwat.com/solution/ )

受託研究開発:NEDO/東京大学 生産技術研究所と共同で「水素タンク」最適設計の研究

燃料水素電池車(FCV)は次世代モビリティとして注目されていますが、水素を貯蔵するための高圧水素容器は非常に高価です。そこで、機械学習・AI技術を用いた最適設計技術を東京大学と共同で開発を推進しています。機械学習の適用可能性について期待を寄せられた結果 採択され、現在プロジェクトを推進中です。


 このほか、研究開発領域でJAXAとの取引実績もあります。引き続き共同研究等にも取り組み、そこで得た知見や気づきをプロダクトの機能拡張などに活かしてまいります。

  • 資金調達の背景

昨今、SDGsや人材不足など外部環境の著しい変化により、大規模な設備を有する製造業はより機動的な対応が求められるようになりました。しかし、日本の製造業の国際競争力は徐々に低下しつつあり、製造業の研究開発費や労働生産性は主要国と比べて低い状況です(※1)。

最近ではこうした課題を解決すべく、従来の企業のみならずスタートアップ企業でも製造業での生産や物流、販売の領域を改善する取り組みが進められています。しかし、研究開発の領域では、独自の専門分野に対する技術的な知識と深い理解が求められるため、世界規模で見ても参入障壁が高い状況です。一方で従来の製造業では、設計や材料の選定が属人化し、職人の経験と勘に頼った定性的な開発が故に試行錯誤的にならざるを得ない状態が課題となっています。そこで、クラウドやデータなどを活用することで、業務プロセスの効率化や自動化、DX化、さらには業務プロセス自体の刷新を図るなど、大きな改善余地があります(※2)。
 

SUPWATでは、これまでの知見・経験のみによる開発が主流であった業界の課題を、データ分析やメカニカル・インフォマティクス技術を活用すれば解決できると考えています。そこで本調達では、弊社の技術力や課題の解決力と、今後の研究開発計画および事業戦略にご期待いただき、シリコンバレーと日本における幅広いネットワークをお持ちのScrum Ventures、そしてAI特化型のベンチャーキャピタルのDEEPCOREに参画していただきました。今後は各社とシナジーを生みながら、事業を拡大してまいります。

 

  • 技術顧問招聘による経営体制の強化

製造業における現場のDXを強力に推進するにあたり、かねてより機械学習の応用研究やプロダクト開発のパイオニアである元・ABEJA CTOの緒方氏に技術顧問として参画いただく運びとなりました。緒方氏は、ABEJAを創業期から技術面で牽引され、テクノロジー分野に関する豊富な知見を持たれています。このようなことから、SUPWATのビジョン達成や新たな中期経営計画の策定・実行など、企業価値向上と事業成長において幅広い視点でアドバイスをいただけると考え、当社の顧問として招聘いたしました。

今後はより強固な経営体制を構築しながら、既存のエンジニアリングチェーンマネジメントの概念を変え、弊社が掲げる「知的製造業の時代を創る」べく、世界で勝負できる日本のリーディングカンパニーを目指して邁進してまいります。

 

  • 技術顧問・緒方 貴紀氏プロフィール

Loonshot Technologies合同会社 代表 / 株式会社ACCELStars 執行役員 / 中部大学研究員(非常勤)

2012年9月に株式会社ABEJAを共同創業、コンピュータービジョン・機械学習の応用研究やプロダクト開発、組織マネジメント、技術ブランディング等を行う。2021年5月 株式会社ACCELStars 執行役員就任。2022年7月 Loonshot Technologies合同会社を設立。

現在は機械学習プロダクトのマネジメント・技術開発及び、機械学習の説明可能性と共創化に関する研究を行っている。
 

  • 引受先企業よりコメント

スクラムベンチャーズ プリンシパル 黒田 健介様

研究開発の現場では日々、担当者の勘と経験をもとにした仮説構築、それに基づいたマニュアルでの実験作業、実験データのCSVでのローカル管理・分析が行われており、クラウドや機械学習等を用いた高度化・効率化の余地がいまだに大きく残されています。自身も技術営業・研究開発担当者だった横山CEOをはじめ、高い技術力と現場への深い理解を併せ持つSUPWAT創業チームに、緒方さんという心強い味方も加わり、日本が誇る製造業という巨大産業のアップデートに挑みます。

我々も、国内事業会社との幅広いネットワークとグローバル展開の知見をフル活用してその挑戦をサポートして参りたいと思います。

 

DEEPCORE TOKYO 2号投資事業有限責任組合 (運営会社: 株式会社ディープコア)
Senior Investment Director 左 英樹様

機械工学・設計領域を中心とした製造業の研究開発現場では、理論と豊富な実験量に裏付けされた製品の技術革新を行ってきた一方で、統計学的なデータアプローチは浸透していない現状があります。

今後同社のサービスが、データを活用した最適な機械設計・素材開発を手軽に行うことができるツールとして機能し、結果的に顧客である製造業の方々がイノベーティブな製品を生み出す一助となることを期待します。今後も同社の成長を支援していきます。

   

     

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